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名探偵の掟

2009年04月15日

名探偵の掟 (講談社文庫)
東野 圭吾
講談社
売り上げランキング: 291
おすすめ度の平均: 4.0
4 推理小説に対する提言
4 見直した
5 もうひとつの東野ワールド
3 工夫のない推理小説に「渇!」
4 名探偵の掟

これはかなり面白かった。

推理小説で登場する定番のトリックについて、面白おかしく書くと共に、安直な作者と読者を痛烈に批判する内容。
ということかな?

東野さんの小説はいくつか読んでいるけれど、本格推理小説をそれほど読んだことがある訳じゃないから、「定番トリック」という認識は無いかもしれない。
でも、密室とかダイイングメッセージとかは定番中の定番と言えるだろうし、そういった”いかにも”なトリックについての問題点というか暗黙の了解となっている部分をわざと取り上げて笑いに繋げるという手法がなかなか斬新。

名探偵である天下一大五郎と、脇役刑事の大河原番三がシリーズキャラクターとなって、収録されている短編推理小説の世界でそれぞれの役を”演じる”。

面白いのが、
(前略)残りのABCは、明らかに作者がミスリードのために出してきた、本筋とは関係のない人物である。そのことが読者にさえも見え見えという、いない方がましな登場人物だが、客があまりにも少ないのも不自然だろうということで作者が出してきたに違いない。そんな程度だからわざわざ名前で呼ぶ必要もないので、アルファベットですませてしまうわけである。
こういったことを地の文で登場人物が言ってのける部分。

推理小説内の実際はどうでも良い部分を完全にカットして、というか、推理の部分ですら退屈な部分はカットして、核心のみを描写して、随所に皮肉めいたコメントを入れる。
登場人物が小説世界と外の世界を行き来して、役を演じつつ本音を漏らすところが何とも面白い。

評価:★★★★★ 5.0

文句なしの満点。

そういえばこれ、テレ朝でドラマ化するらしいですよ。
4/17(金) 11:15~
面白そうだから見てみようかな。


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