13階段
2011年10月15日
犯行時刻の記憶を失った死刑囚。その冤罪を晴らすべく、刑務官・南郷は、前科を背負った青年・三上と共に調査を始める。だが手掛かりは、死刑囚の脳裏に甦った「階段」の記憶のみ。処刑までに残された時間はわずかしかない。二人は、無実の男の命を救うことができるのか。江戸川乱歩賞史上に燦然と輝く傑作長編。
前から欲しかったけどなかなか無くて、最近作者の作品が受賞しただかで、この旧作も増刷されたということで漸く買えた本。
冤罪・死刑制度とかの社会的問題がテーマ。
が、そんなことは置いといて、普通にミステリとして面白い。
全く関係ないと思うようなちょっとした情報がちゃんと伏線になっていたり、最後の最後でそう来たかって思わせるような作りになってる。
正直、中盤まではそこまでスピード感は無いんだけど、後半の追い上げがとにかく凄い。
そして極めつけは、最後の手紙。
あれが無ければラストが微妙な中途半端ミステリで終わってた。
あの手紙が全てを解決して、読後感もスッキリ。
最後の最後まで手を抜かない作りが良かった。
評価:★★★★★ 5.0
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