そして扉が閉ざされた
2011年06月23日
富豪の若き一人娘が不審な事故で死亡して三カ月、彼女の遊び仲間だった男女四人が、遺族の手で地下シェルターに閉じ込められた。なぜ?そもそもあの事故の真相は何だったのか?四人が死にものぐるいで脱出を試みながら推理した意外極まる結末は?極限状況の密室で謎を解明する異色傑作推理長編。
これは面白かった。
最後までスピード感があって、無駄な部分もなく、読後感も爽快。
サクサク読めて読んだ後もスッキリ。
新しい作家に挑戦してみて良かったと思える作品。
物語のスタートが核シェルターで、登場人物がその外に1歩も出ることなく終わりを迎えるという、何とも斬新な舞台設定。
核シェルターにいる4人が回想の形で過去を振り返って、事件の真相を徐々に明らかにしていく。
登場人物が増えることもなく、4人の中で誰がどうやって殺したのかを終始議論していく割とシンプルな構成だけど、途中で飽きることもなく、どんどん読んでいける文章になっているところが凄い。
序盤から中盤あたりですでに面白くて、ラストでさらに面白いってのはこれまで読んできたミステリの中でもなかなか無い。
推理小説って結末を知っても伏線がどこに敷いてあったのかよく分からない作品もあったりするけど、この作品はちゃんと前に読んだ部分が思い出せるし、全てに納得がいく形になってると思う。
という感じで、とにかく読みやすくて面白かったんだけど、一つだけ残念なのがキャラ設定。
まともな性格の人物がいない。
そこさえ何とかしてくれれば完璧だったと思う。
評価:★★★★★ 5.0
キャラ設定の減点分は無視できるとは言わないけど、それ以上に話が面白かったので久々の満点で。
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