さまよう刃
2008年10月26日
角川グループパブリッシング
売り上げランキング: 562
本作の枠では捉え切れない問題
甘い。
久し振り、会心の出来!
刑事の立場
さまよう刃、読了。
娘を少年らによってレイプ&殺害された父親が、犯人を捜し出して復讐しようとするストーリー。
これはまたなかなか。
東野さんの作品はちょっとレベルが高いですね。
娘を殺された悲しみと怒り、復讐はいけないと分かっていながらも復讐せずにはいられない気持ち、だがそのまま放置すれば少年法によって大した制裁もなく犯人らが社会復帰してしまう事への憤り。
非常に考えさせられるストーリーで、主人公の心情とそれに同情しつつもそうさせてはならない周りの人間の心情なんかが上手く描かれてる。
そしてミステリーとしての構成はやはりもう言うまでもなく。
ただ、結末が非常に残念な終わり方というか、これで良かったのかなって思ってしまう部分がある。
最善なんだろうけど、しかし納得いかないという感じで。
評価:★★★★★ 5.0
この人の作品を他のと同等のレベルで評価するのはどうかと思ってきた今日この頃。
先が読みたくなる文章構成は文句なしです。
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