理由
2009年09月04日
宮部 みゆき
新潮社
売り上げランキング: 17133
新潮社
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おすすめ度の平均:
無理です。ページが進むごとに暴かれていく謎
私的に宮部作品の最高峰
「事件」には報道されていない理由があります。
家族の、陰の呟きこそがキモ!
事件はなぜ起こったか。殺されたのは「誰」で、いったい「誰」が殺人者であったのか―。東京荒川区の超高層マンションで凄惨な殺人事件が起きた。室内には中年男女と老女の惨殺体。そして、ベランダから転落した若い男。ところが、四人の死者は、そこに住んでいるはずの家族ではなかった…。ドキュメンタリー的手法で現代社会ならではの悲劇を浮き彫りにする、直木賞受賞作。
宮部みゆきの2冊目。
火車も長かったけど、こちらもそれ以上に長かった。
序盤は事件当初の状況を周りの住民の視点から描いていて、結構緊張感もあって先が気になる展開。
中盤以降は舞台が全く関係ない方向に飛んで、事件とは一見なんの関わりもない家族の話が延々と続く。
話がちょっと見えてきたと思ったらまた違う場面に移る。
しかも、登場する家族が多すぎて全体の関係を把握しきれない。
終盤で一応全ての登場人物の関係が明らかになるものの、驚くような結末がある訳でもなく、本筋とはあまり関係のない家族についてあそこまで詳細に描写する必要があったのかは疑問。
火車にもあったように、現代社会の問題点的な要素を織り込んでいるのはなかなか上手いとは思うけれど、単純に推理小説を楽しみたい読者にとっては不要かなと思う。
あと、徐々に明らかになっていく事件の詳細を、後日談的に書かれているのはあまり好きではなかったかな。
既にこの事件は解決したのだけれど、っていう感じで関係者が語っていても全然スリリングじゃないし、内容にのめり込めない。
評価:★★★ 3.0
中盤が冗長すぎて、しかも最後が大した事無かったのでがっかり。
宮部さんの本はちょっと合わないのかも…。
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