愚者のエンドロール
2011年08月27日
「折木さん、わたしとても気になります」文化祭に出展するクラス製作の自主映画を観て千反田えるが呟いた。その映画のラストでは、廃屋の鍵のかかった密室で少年が腕を切り落とされ死んでいた。誰が彼を殺したのか?その方法は?だが、全てが明かされぬまま映画は尻切れとんぼで終わっていた。続きが気になる千反田は、仲間の折木奉太郎たちと共に結末探しに乗り出した!さわやかで、ちょっぴりほろ苦い青春ミステリの傑作。
米澤穂信の古典部シリーズ第2弾。
前作「氷菓」がいまいちだったのでちょっと買うの躊躇ったけど、他に特に読みたいものも無かったからこれを買ってみた。
読んでみたら予想よりも良かった。
脚本が途中で途切れた自主映画の結末予想っていう話だけど、単純にその映画の推理っていうだけでなく、この作品全体に謎解き要素が含まれているところがなかなか上手い。
単に映画の推理だけで終わってたら面白くなかったかも知れない。
インシテミルとか儚い羊たちの祝宴でもそうだったけど、この人の作品は他のミステリ作品の要素を入れてくる。
本読まないから全くそんなことには気づかなかったけど、米澤さんのそういう引き出しの多いところは良いと思う。
とりあえずこのまま古典部シリーズを読み進めていく予定。
評価:★★★★☆ 4.5
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