空飛ぶタイヤ 上・下
2012年10月20日
走行中のトレーラーのタイヤが外れて歩行者の母子を直撃した。ホープ自動車が出した「運送会社の整備不良」の結論に納得できない運送会社社長の赤松徳郎。真相を追及する赤松の前を塞ぐ大企業の論理。家族も周囲から孤立し、会社の経営も危機的状況下、絶望しかけた赤松に記者・榎本が驚愕の事実をもたらす。
久々の本の話。
amazonさんの評価がやたら高いので買ってみた1冊(2冊)。
車両事故を起こした運送会社が、原因は車両の欠陥じゃないの?ってことで原因究明のために奔走する話。
単に運送会社VS自動車会社っていう構図だけではなくて、自動車会社と同グループの銀行との関係だったり、出版社とか警察とかも色々と絡み合ってて、そう単純な話ではない。
凄くリアリティのある文章で、データ捏造とかそこいらの会社で実際に行われてるんだろうなっていう感じが伝わってくる。
上巻は勢いもあって凄くサクサク読める。
下巻はちょっと減速というか中だるみ感があるような気がした。
1つ不要だと思ったのは、子供の小学校のモンペとの対決話。
自動車会社と戦いつつ、家庭とか学校でも苦労してるっていうのを表現したいんだろうけど、正直モンペが不快だし、無駄にページ数消費してる気がしてならなかった。
全体的には、話も興味深いし、文章も読みやすくて心情描写なんかも上手くてなかなか良かったと思う。
評価:★★★★☆ 4.5