ボトルネック
2010年09月28日
ボトルネック (新潮文庫)
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米澤 穂信
新潮社
売り上げランキング: 12724
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おすすめ度の平均:
自分がいない世界単調な展開と世界の狭さが残念
燦然と輝く星一つ
不思議な感じ
幼い。拙い。そして、ただただ暗い。
亡くなった恋人を追悼するため東尋坊を訪れていたぼくは、何かに誘われるように断崖から墜落した…はずだった。ところが気がつくと見慣れた金沢の街にいる。不可解な思いで自宅へ戻ったぼくを迎えたのは、見知らぬ「姉」。もしやここでは、ぼくは「生まれなかった」人間なのか。世界のすべてと折り合えず、自分に対して臆病。そんな「若さ」の影を描き切る、青春ミステリの金字塔。
インシテミルが面白かったので作者買い。
本格ミステリの後に青春ミステリ?を読んだせいもあって、若干物足りない。
東尋坊にいたはずだった主人公が気づいたらパラレルワールドにいたという出だし。
違う世界に飛んだとなると、気になるのはどうやって戻るのか、そもそも戻れるのかと言うこと。
戻るきっかけとか戻った後の展開とか若干の期待を込めながら読み進める。
でも、最後には大したこともなく終わる。
この本の主題はタイトルそのものであって、ラストも良い感じには終わらない。
何がどう「ボトルネック」なのか。
伏線はいくつかあったりする。
そのあたりはなかなか良いと思ったけど、やっぱり主題が残念。
ただ、文章はかなり読みやすくて、最初から最後までサクサク読める。
中だるみもないし、そのまま最後に盛り上がってくれれば良かった。
でもそうじゃなかったのが非常に残念。
評価:★★★★ 4.0