さよなら妖精
2011年01月15日
一九九一年四月。雨宿りをするひとりの少女との偶然の出会いが、謎に満ちた日々への扉を開けた。遠い国からはるばるおれたちの街にやって来た少女、マーヤ。彼女と過ごす、謎に満ちた日常。そして彼女が帰国した後、おれたちの最大の謎解きが始まる。覗き込んでくる目、カールがかった黒髪、白い首筋、『哲学的意味がありますか?』、そして紫陽花。謎を解く鍵は記憶のなかに――。忘れ難い余韻をもたらす、出会いと祈りの物語。気鋭の新人が贈る清新な力作。
「ボーイ・ミーツ・ガール・ミステリー」らしいけれど、ミステリ要素はあんまりない気がした。
1つの大きな謎を全文使って解いていく様なものではなくて、「日常の謎」が所々に現れる程度。
最後に一番大きな謎解きがあるけれど、謎が解けたところでスッキリする事も無い。
ただ、何気ない日常の会話の中に謎解きのヒントを散りばめているあたりは上手いと思った。
というわけで、ミステリとして読むとちょっと残念な感じ。
どちらかと言えば青春もので、ボトルネック(もはや内容忘れたけど)とかに近いのかも?
ところでこの作品、ユーゴスラビアの話がかなり出てくるんだけど、作者がそっち方面詳しいのかなと思ったら、巻末に参考文献が山ほど書かれてるのには驚いた。
それなりに知識とか興味が無いと書けないとは思うけど、1冊の小説書くのにあそこまで調べるのかと思うと小説家って凄いなと思う。
評価:★★★★ 4.0
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