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卒業―雪月花殺人ゲーム (講談社文庫)

posted with amazlet at 08.11.14

東野 圭吾
講談社
売り上げランキング: 32693

おすすめ度の平均:

卒業までの半年で
青春推理ミステリの第2弾における主人公は大学生。
加賀恭一郎初登場の作品
加賀恭一郎ファンなら是非
雪月花・・・？

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卒業、読了。

7人の大学4年生が秋を迎え、就職、恋愛に忙しい季節。ある日、祥子が自室で死んだ。部屋は密室、自殺か、他殺か？心やさしき大学生名探偵・加賀恭一郎は、祥子が残した日記を手掛りに死の謎を追求する。しかし、第2の事件はさらに異常なものだった。茶道の作法の中に秘められた殺人ゲームの真相は！？

「悪意」にも登場した、加賀恭一郎シリーズの第1作目らしい。
この作品では大学生として登場。

さて今回は、大学の仲間7人がメインキャラクター。
その内の一人が自宅で死亡し、その謎が解けぬまま第2の事件が起こる。
この点に関しては前回読んだ「放課後」に似てる。

サブタイトルにもあるように、第2の事件では茶道のゲームである「雪月花之式」というのがトリックとして使われている。
でもこのゲーム、数ページに渡って図解しているだけあって、なかなかわかりにくい。
文章での説明も、さあこれから説明しますよ！っていう感じでかなり意気込んでる。

amazonレビューなんかを見てると、やっぱりここが分かりにくくて減点している人も結構いる模様。
でも、一応きちんと説明はしてくれているのでちゃんと読めば分かる様にはなっている。
とはいっても、最後の逆転劇の部分の説明は省略してたみたい…？

こんな感じで割と分かりにくいミステリー要素もあったりするけれど、この作品のメインは7人の人間関係にあるんじゃないかなと思う。
死の原因が他殺であったならば、仲間内の誰かが犯人であり、今まで信頼していた人間が殺人を犯したという事実に対する驚愕。

そして、タイトルである「卒業」の意味。
これが何を意味するかまでは具体的に書かれていないけれど、ラストで何となくそれがつかめる気がする。

評価：★★★★★　5.0

序盤は登場人物の多さにちょっと戸惑ったけど、中盤以降は非常に面白かった。
珍しくラストも良い。

そして。

「君が好きだ。結婚して欲しいと思っている」

「今でも、あたしと結婚したいと思ってる?」
彼はポテトを口に放りこんだ。「思ってるよ」
「そう……ありがとう」
「残念だな」
「残念だわ」

この流れはちょっと良いなと思った。