虚夢
2011年11月13日
通り魔事件によって娘の命は奪われた。だが犯人は「心神喪失」状態であったとされ、罪に問われることはなかった。心に大きな傷を負った男は妻とも別れてしまう。そして事件から4年、元嫁から突然、「あの男」を街で見たと告げられる。娘を殺めた男に近づこうとするが…。人の心の脆さと強さに踏み込んだ感動作。
デビュー作の「天使のナイフ」が面白かったので作者買い。
が、これはちょっと期待はずれだったかも。
序章は凄く良い入りだったのに、それから終盤までダラダラと平坦な流れが続いて、
最後の最後で驚愕の事実!って感じになる。
なんというか、最後の衝撃の為だけにそれまでの文章が書かれている感じ。
しかも、最後の締めもいい加減で投げやりな感じがする。
以前読んだ高野和明さんの13階段は中盤まで大して面白くはなかったものの、最後の締めがかなり良かったから全体の印象も良かった。
それに比べて、この作品は中盤もラストもいまいち。
社会派ミステリが元々得意では無いって言うのはあるけれど、
ミステリとしてのおもしろみはあんまり無かった。
いわゆる「考えさせられる」系の小説。
評価:★★★★ 4.0
old « 物件探し3 | メイン | エリザベス女王杯 » new